ブレインズ・タイムス第49号


 

 今、「なごみ」や「癒し」は、生活すべてに及ぶキイワードになっている。資本主義とのハッピーな関係が終り、これまでのやり方では世界共通の繁栄などあり得ないことを知った私たちは、これから新しい社会を築かなければならないのだが、現実では、社会全体で高まっている緊張感に疲れ、チャレンジの元気をなくしてしまっている人も多い。そんな「ひと休みしたい」気持ちに合うのが「なごみ」や「癒し」という選択肢なのだろう。
 発展的に考えると、この「なごみ」や「癒し」は、一種の逃げ場的役割ではなく、より積極的な展開が可能な場面にきていると思う。
 「なごみ」や「癒し」の要素は、大量生産品、工業製品にはないが、手工芸品や手作り商品には、たっぷりある。同じように、高級ブランドや、トレンド商品にはないが、民族や地場の商品やアンティックものには「なごみ」や「癒し」の要素がたっぷりある。
フォークロア、ボヘミアン、エスニックなど、この春夏に流行している女性ファッションにも、「なごみ」や「癒し」の要素がたっぷり。
 消費のベクトルは、一方向から多方向や多様へ、エッジの立ったものからリミックスへと確実に向っていると感じる。


 大量生産品  ⇒  手工芸品
トレンド商品  ⇒  地場商品
   一方向  ⇒  多方向 
   エッジ  ⇒  リミックス


 もし、女性が社会や生活の全ての範囲で、多方向や多様やリミックスを目指すのであれば、いま世界中で起きている民族紛争や社会不安がもっと良い方向へ向うはずだ。「なごみ」や「癒し」を消極的なことに貶めるのではなく、積極的な方向へ切り開いていきたい。

似たもの同士

 コブシとモクレンなど区別が悩ましい似たもの同士の植物。どこが同じでどこが違うのか、調べた結果を簡単にお知らせします。

●コブシとモクレン
 コブシもモクレンも同じモクレン科。
どちらも葉の出る前に花が咲く。
花が白いのがコブシと白モクレンで、モクレンは花の外側が小豆色。
コブシと白モクレンの差は、コブシの方が木が大きく(10から30m)なること。白モクレンは花に芳香があること。

●サツキとツツジ
 どちらもツツジ科で、サツキはツツジの一種。
サツキとツツジの区別は、単に開花時期と新芽の伸びだす時期の違いで判断する。サツキは新芽が伸びきって葉が展開した後、5〜6月に開花。旧暦5月に開花することから「サツキ」という。
ツツジは、4月頃に花をつけ、新芽はその後に伸長するものが多い。

●サザンカとツバキ
 どちらもツバキ科。
サザンカは、秋から冬にかけて花を咲かせ、花びらがばらばらになって散る。ツバキは、初春に花を咲かせ、花ごとポトリと落ちる。
サザンカの葉にはぎざぎざが目立つ。ツバキの葉にはぎざぎざがない。

●牡丹と芍薬
 どちらも同じボタン科ボタン属の植物。
牡丹は木本で、芍薬は草本。日本、中国では区別しているが、学問的にはパエオニアの名前で同じ種類として扱う。

●アヤメ、カキツバタ、ハナショウブ、ショウブ、アイリス
 この中では、端午の節句に飾ったり菖蒲湯として使われるショウブだけが、サトイモ科で、花も地味(肉穂花序)。ショウブ以外はアヤメ科。区別については、<よく、アヤメとカキツバタとハナショウブの区別がつかないって言われます。実際ココが違うって説明はしにくいんだけど、並べてみると分かります。で、並べてみました>という「しばぞうさんのサイト」をご覧ください。

 「しばぞうさんのサイト」
    http://isweb9.infoseek.co.jp/art/shibazoh/ayamenoniwa2001.htm

ライブでエコなスーパー

 昨年、ダラスで見た食品スーパー「eatZi's」は、充実した「高級持ち帰り調理済み食品専門店」で、店内すべてがライヴな売場となっていた。<有名レストランと同等の食事を、レストランより低価格で販売し、購入者は手間をかけずに、自宅で寛いで食事を楽しめる>をアメリカ流に実現した高級食品店は、大人気で、夕方には仕事帰りの人々で大混雑していた。店内は世界中の食材から厳選した食品がジャンル別にコーナーを作り、各コーナーではコスチュームを着たシェフが客の好みで食品を切り分ける等のサービスを行う。例えば、チーズコーナーではスイス風の女性シェフが、客の注文に合わせてチーズを切り分けているという販売の仕方にも本物志向の高級感がある。
 日本ではデパ地下食品売場の「RF1」「柿安ダイニング」などが、販売台の並びにガラス張りの調理場を設け、サラダの盛り付けをするシェフの作業を見えるようにしているが、「eatZi's」では、シェフによる対面販売をさらに強調して、成功している。
 さて、デパ地下食品に話題が集中して苦しい状況にあったスーパーの食品売場だが、「地場で、ライヴで、エコ」という方向に活路を見出したように見える。3月にオープンした「クイーンズ伊勢丹」石神井公園店は、特にパン売場がライヴ型になっていて、この売場を目玉に店全体に高級感があり、活気が溢れている。

クイーンズ伊勢丹

売場より高くなった調理場は、ガラス越しのステージのようになっていて、次々とパンが焼き上がるようすが見える。
<クイーンズ伊勢丹 石神井公園店>


2002年05月20日(平成14年) 発行

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