ブレインズ・タイムス第43号


きゅうくつな日本

 3月、アメリカに出張した。サンフランシスコ、シャーロット、ダラス、と雰囲気の異なる都市を訪ねたが、特にSFで感じたことは、在住日本人女性の増えたこと。ダウンタウンやエスニックフーズ店等では、実によく見かけた。昨年訪れたロンドンでは、日本人留学生の数が増えているという話を聞いたし、確かに学生風の日本人男女をたくさん見かけたが、SFで見かけるのは女性ばかり、そして彼女たちがさまざまな人種の男性とふたり連れだったことが特徴だ。
 日本を脱出する女性、脱出したいと考えている女性が年々、増えていることはきっと確実なことなのだろう。そして海外に出た人たちに聞いてみると、もっとなにかやりたいことを見つけたかった、といった理由でまずは留学する人が多い。そして、出たら最後…もう窮屈な日本には帰ってきたくない、と感じるようだ。
「きゅうくつな日本」の理由について考えてみたい。
 もっとも大きな理由は、固い縦割り社会であること。
会社という社会の中であれば、社長以下、専務・常務・本部長・部長・課長・係長という役職がきっちり守られ、退社後の時間でも同様。国であれば、官庁・都道府県・町や区の役所へと順番に縦割り行政。学校でも同様。そして、自由な活動であるはずの例えば、芸術や趣味の世界でさえも、組織化と縦社会のピラミッドが構築されてしまう。このピラミッドからはみだしている人には、正統なキャリアアップが望めないが、中に入っていればやがて年功が評価される、という社会の枠組みは、まだ壊れていない。..壊れ始めてはいるが..
 次に上げられるのが、この構造を守るために起こってしまう排他的な考え。日本には人種差別はないなどというが、縦割り構造自体が差別を生んでいるとしか、思えない。
 人種、性、年齢などいろいろな形での差別が少ない社会の方が窮屈でないのは当たり前のことで、このようなことが、 出たら最後…もう窮屈な日本には帰ってきたくない、と感じさせるのではないか?
 日本の新しい潮流(トレンド)の多くは、若い女性が作っている..ということは、海外移住を目指す女性が増えていることも、日本人全体に関わるトレンドである可能性が高い。

ブランドうんちく講座
See' Candies.Inc  シーズ・キャンディ

See' Candies

See' Candiesの
イースター・ギフト・パッケージ


1921年に創立されたアメリカ合衆国の高級チョコレート製造・販売会社。パッケージされたギフトチョコレート、またはセレクトして箱詰めする式で販売している。3月始めは、セント・パトリックの祝日のためのギフトパッケージ、3月半ばからはイースター祝日のためのギフトパッケージ、と祝日に合わせたギフトが用意される。
 始まりは、カナダからの移住者Charles See が母親のレシピで、母親Mary Seeと妻と共にLos Angelesに作った店。オールド・ファッションのトラディショナル・スタイルで高級感を演出しているが、1939年に85歳で亡くなったMary Seeの肖像がシンボルとして使われ、温かい雰囲気をかもし出している。ショップは白と黒のすっきりとしたインテリアで町中でも目につきやすい。1972年にSee の家族は会社をberkshire Hathaway Inc.,に売却して、現在に至っている。

イースター(復活祭)

 キリストの復活を祝う復活祭は、春分の後の最初の満月の後のはじめの日曜日が復活祭、という決め方をする。今年は4月15日。
 ラッピング用品や菓子店には、数週間前からイースター関連のギフト商品が並び、調理用品売場には、イースターエッグを作る食紅や道具が並ぶ。シンボルの玉子はキリストの復活を表し、ウサギがイースターエッグを持ってくると言われている。このため関連の商品には玉子、ウサギ、ひよこ、バスケットがたくさん登場する。色は黄色とピンクがよく使われる。

お勧めのサイト

Martha Stewrat マーサ・スチュアート
    http://www.marthastewart.com/

 人気料理家・栗原はるみのアメリカ版とも言えるマーサ・スチュアートのサイト。Mrs. Stewrat は、コネチカットとNYに住まいを持ち、自らの生活を紹介して人気を博しているライフスタイル提案者。サイトでは通信販売も行っている。

「Martha Stewart Living」の表紙

毎月発売される
「Martha Stewart Living」の表紙
この号ではイースターの食卓やイースター
エッグの作り方などを紹介している。


2001年4月10日(平成13年) 発行

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