ブレインズ・タイムス第36号


パソコンが女性に運んできたもの

 パソコンは、自宅にいながら社会と向き合うことを可能にした。パソコンがあれば、新しいネットワ−クを作ったり仕事を作ることも可能。でも、だからといって、これを実現するためにパソコン教室へ行ってもダメ。パソコン資格をとって、その資格で会社に勤めても道は開けない...多分。今、パソコンが女性にくれたのは、これまでの働き方以外の働き方であったり生きがいだから、過去のやり方に従えば、男性たちが辿った道に戻ってしまう。男性たちは、忠誠を誓った企業の利益をまっしぐらに追い求め、それが自分や家族の生活を向上させることと信じて働き、その結果として、犯罪にまで発展する暴走をしてしまう人たちを出した。90年代はそのツケが回ってきた時代と見ることも可能だ。
 幼稚園に子供を送りに行く、すると入口辺りで行われる井戸端会議。つまりこの感覚がパソコンネットワ−クの感覚であって、男性だと専業主夫をやったことのある人にしかわからないことかも。
会社のキャリアは、今後ますます重要ではなくなるから、結婚や出産や介護のために、退社したり仕事を中断したりせざるおえなくなっても、アセらないこと。そんな時に「今ここにある経験がキャリア」という考えで、本当のキャリアを積むことが出来れば、それが、ひとりで始める新しい仕事の「KEY]になると思えるのです。

透明感のある色たち

 99年は白が流行という。その白も透明感のあるピンクやブル−との組み合わせが目につく。マ−ク・ジェイコブス、MARNI、マックスマ−ラ、ジル・スチュア−ト...薄い布を数枚重ね合わせて着るレイア−ド、タックをとったり折りたたんで、透けたり合わさったりする色を楽しむ服など、いずれも透明感が美しい。
そして、花屋の店先を覗いても白い花が目につく。もともと花の中で、種ごとにみると白い花のある種はとても多く、他の色を圧している。その中でも人気があるのは、小さく可憐な白い花。ライラックやデルフィニウム、松虫草等のブル−や薄紫の小さな花と白い花で作る花束は、とても人気があると花屋さんでも聞いた。花束をプレゼントする時のリボンにも変化が見える。少し前に人気のあった天然素材のラフィアが減って、オ−ガンジ−のリボンの人気が高まっているそう。幅広のオ−ガンジ−に刺繍のあるリボン等、凝った素材もあり、ここでも透け感を楽しむ傾向があるようだ。

鎮江香醋 チンキアンシャンシ(チンコウス)

 中国の酢「鎮江香醋」。「醋」とは酒ヘンに昔と書いて「お酒を古くする」の意味、つまり、「酢」。
鎮江香醋は、見た目にはイタリアの高級酢「バルサミコ」に似た黒に近い褐色。バルサミコの原料はブドウだが、鎮江香醋の原料は玄米。玄米を伝統的な醸造方法で造り、10年以上熟成させた酢のこと。長期熟成で酸味の角が取れ、非常に柔かい味になるのだが、日本でも鹿児島県福山町で壺を並べて作っている黒酢の製法は3、4世紀頃、中国から伝わったもので、原料も同じく玄米を使っている。鎮江香醋は酸味が弱く、味に独特の重さがあるので、酸味を強く出す場合は、一般の米酢をベ−スにして、風味付けとして少し加えると良い。餃子に、鎮江香醋を少しつけて食べると、口の中は中国!
 その他、中華炒め物や、酢を使う中華料理にほんの少し加えるだけでぐっとコクを出すことが出来る「鎮江香醋」。酢には栄養はほとんどないが、身体機能を活性化させる効果があり、暑い夏を乗り切るために大いに活用したい調味料です。


1999年6月10日(平成11年) 発行

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