味辞典

人間が作り出した最古の調味料と言われている。 主成分は酢酸でその他乳酸、コハク酸、リンゴ酸などの有機酸、グリセリン、 エステル類、アルコール類、アミノ酸などをわずかに含み独特の風味や香りがある。 基本的な酢の醸造はアルコールを酢酸醗酵させる。醸造酒と合成酢がある。 これまでの研究テーマ≪→『食酢・酸味料』参照≫

赤酢

清酒醸造時に副生する酒粕から作られる酢で赤色を呈した、日本独特の酢。
酸味はストレ−トで別名「江戸酢」「酒粕酢」「糟酢」とも呼ばれる。

黒酢

中国から伝わった酢で、褐色を呈し、日本では最も歴史が古い酢の醸造方法により 作られた酢。
鹿児島県姶良郡福山町で醸造されている「壺酢」が代表的だが、醸造期間が2年以上もかかるため、最近は化学的に短期間で醸造された黒酢が多く市販されているが 風味に欠ける。

米酢

米を40%以上原料として醸造された酢。
原料に米のみを使ったものは「純米酢」として区別されている。 酸味が柔らかく、日本や中国では最も多く使われている。

穀物酢

果実酢や原料比40%以下の米酢にジャガイモや麦などを加えて醸造した酢。

麦芽酢

麦芽やビール粕から醸造した食酢。
英名はモルトビネガー、ヨーロッパ各地で生産され、無色透明でスッキリとした 雑味のない酸味がある。日本では生産されていない。
ピクルスやマリネなどには癖がなく使い良い。

種子酢

デ−ツ(なつめ椰子の実)酢の事。
紀元前から作られていた酢で、主に北部アフリカや中近東で作られている。

蒸留酢

麦芽酢(モルトビネガ−)などを更に蒸留して作られる、酸度の高い酢。
主にマヨネ−ズなどの工業用として作られている。

アルコール酢

芋類などの澱粉質原料や糖蜜、パルプ廃液などを精製し、純度95%以上のアルコ−ルを作り、これを酢酸発酵させて作った酢。
欧米などで多く作られている酢。

合成酢

酢酸を主体として種々の物質を原料とした酢。
日本では全酢生産量の2〜3%程度であるが、ほとんどは工業用として使われている。

合わせ酢

酢に、各種の調味料や材料を配合したものの総称。
和え酢、調味酢ともいい、加える材料によって種類は多い。
甘酢、二杯酢、三杯酢、ごま酢、松前酢、たで酢、梅肉酢、みぞれ酢、黄身酢、 からし酢、うに酢、けし酢、ちり酢、土佐酢、ポン酢(一般にポン酢は、食酢ではなく柑橘類の搾り汁を使うが、酸味が足らない場合に米酢やリンゴ酢などを加える)など。

甘酢

合わせ酢、和え酢の一種。
酢、砂糖に塩または醤油を合わせたもので、三杯酢より砂糖の量を多くしたもの。 酢の酸味が和らぎ甘味がつよい。
(中華料理で使われる甘酢餡かけは、これに片栗粉を加えてとろみを出したもの)

調味酢

米酢や果実酢に醤油や甘味料、だし汁などを加えたもの。

ポン酢

果実酢や柑橘類の搾汁液にだし汁、醤油、甘味料などを加えて作った調味酢。
 
 
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